アイザワの活力 社員の声

機械加工は緻密な準備と集中力が求められる仕事です。

機械製造部 M.T

黒部インター工場で、大型五面加工機のオペレーションを担当する彼が愛用している電卓はかなり年季が入っている。「僕がここに配属されたときには、すでにありました。同じタイプはもう販売されていないかもしれないですね」。しかし、Tにとってはなくてはならないものだ。各種の関数計算ができ、加工機に入力するプログラムをつくる際に大活躍をする。

電卓写真


いつも緊張感と隣り合わせ 五面加工機は、アイザワマシニングが受注した仕事の中でも超大型加工に関わるマシニングセンターだ。最大で幅3,500mm、長さは8,000mmの金属を加工できる。加工するのはほとんどが1点もの。多くても2〜3個だ。お客様から届いた図面に基づき、まず工程を考え、マシニングセンターを作動するプログラムをつくる。入力し、稼働させる。「液晶や半導体工場の製造装置の超大型フレームの加工が多いです。カーブした斜面とか段差のある穴加工とか、図面に指示された内容を確実に再現するために、プログラムの作成は重要な仕事。角度を計算したり、位置を確認したり、この電卓なしにプログラムはつくれません」とT。製品によっては、1日のほとんどをプログラム作成に費やすこともあるという。

加工の工程に入ると、大きなものは完成までに3〜4日かかる場合がある。「原材料の金属は非常に重量があります。クレーンで加工機のテーブルに移動しますが、とにかく安全第一。加工は、ほんのわずかなミスが大きな瑕疵につながりますから、まったく気が抜けません」。緊張感に包まれた日が続き、プログラムづくりとは別の集中力が求められる。「それだけにトラブルなく、品質基準をクリアした製品を出荷できた時はホッとしますね」。確かな仕事を達成してきた者の誇りがTの表情に浮かんだ。


心強いものづくり集団. 機械加工ではおおよその流れはあるが、加工の内容によって、1品1品段取りを考える必要がある。自分が考えた方法でよいのか、もっとよい流れがあるのではないか。悩んだ時は先輩や仲間に相談する。「アイザワマシニングの社員はものづくりが大好きな人の集まり。的確な答えが返ってくるので心強いです」と嬉しそうに語る。彼自身もアドバイスすることが増えてきた。「どんな風に伝えれば、相手にうまく伝わるのか。最近、仕事の話をする時、そのことを意識して話すようになりました」。目標は、とたずねると「技術のレベルアップ。もっと高度な加工ができるようになりたい」。着実にステップアップしてきたTの目はしっかりと先を見据えている。

工程管理の仕事はコミュニケーションが大事です。

機械製造部 R.S

アイザワマシニングの本社工場では、Sが大型加工機のオペレーターと話をしている姿をしばしば見かける。彼は機械製造部の班長として、大型加工機の工程管理を行っている。いくつもの受注が重なる毎日、図面と納期を確認し、スケジュールを組み立て、担当オペレーターを決定する。その時、常に考えているのは、オペレーターがもっとも力を発揮しやすい状況をつくることだ。「僕にとって、一緒に仕事をするオペレーターたちは大切な存在です。一人ひとりがしっかり仕事に取り組めるようにしてあげたい。そのことが高品質の製品づくりにも結びつきます」。


前向きな団結力で前進 しかし、工程を管理し、調整することは簡単なことではない。「考慮しないといけないことは多いです。製作物の難易度や仕事の重なりなどで、予定通りに進まないこともありますし」とS。担当するのは仕上げ加工だが、納期を考えると、スタート時点からの他工程の仕事の流れも含めた段取りを考えなければならない。そのために部門間の調整は重要だ。「それぞれの工程を担当するのは経験を積んだ技術者。だからこそ、時には思いこみからミスが生まれることもあります」。常に初めての仕事と捉え、細かい部分のすり合わせを怠らないことを心がけている。その連携がアイザワマシニングの強みだ。「納期が厳しい仕事もあります。でも、『よし、やろう』と言って、みんなが団結して前向きに取り組んでくれる。うちの会社っていいなと思う瞬間です」。


視野をもっと広げたい アイザワマシニングに発注される機械加工は、オーダーメイドと言ってよい。「毎回、違うものをつくれることが楽しいですね。新しい図面を見ると、さて、どうしていこうか、ワクワクします。もちろん、一つの工程を設計するのは大変です。でも、やりがいを感じます」。実際の加工機の作業手順はオペレーターに任されている。S自身も大型加工機のオペレーターを経て、現在の職務についた。後輩が加工方法について悩んでいる時にアドバイスするのも大切な仕事だ。「図面を見て、パパッと段取りを組み立てる先輩。明快にわかりやすく指示を出す先輩。僕も先輩にサポートされ、ここまで来ました。まだまだ勉強しなきゃいけないことは多いと思っています」。次の目標はさらに広い範囲の工程のサポート。そのためには、小型加工機のことも学び、視野を広げたいという。Sの穏やかな表情の中に強い意志が宿る。

お客様と現場を結び、仕事をスムーズに進める潤滑油の役割。

業務部 A.K

本社事務所、とある午後。「いただいた図面で確認したいことがあるのですが」。お客様から届いた図面をデスクに広げ、Kの明るい声が電話口に響く。かたわらにはB6判サイズのメモ帳。お客様や部品メーカーなど、よく電話をする相手先の電話番号、原材料や部品のコードナンバー、自社のマシニングセンターで加工可能なサイズなど、打ち合わせに必要な事項がすべて自筆で書き込まれている。自分仕様のお助け帳だ。「しょっちゅう、いろんなことを確認するので手放せません」と、表紙を大事そうになでた。

メモ帳 写真


すべての発注をコーディネート アイザワマシニングでは、お客様からの発注は業務部に集約される。業務部で仕事の内容を整理し、担当部署や納期・出荷の日程などの概略を決め、管理票を記入、図面とともに現場に回す。それを担当するのが班長とKの二人だ。「お客様と現場を結ぶ窓口ですね。お客様から届いた図面もまず業務部で確認します。私でわかる不備があればお客様に確認し、現場にはできるだけ完全な図面を回すようにします。また、現場から疑問があがれば、私がお客様に問い合わせをします。仕事がスムーズに進むようにする潤滑油の役割でしょうか」。その分、顧客と現場、両方の要望を受けることになる。どう調整すれば、現場がうまく動き、顧客にも満足してもらえるか。事務所で何本も電話をかけ続けることもあれば、工場と事務所を何度も行き来し一日が終わることもあるという。時には特急の仕事が入ってきて、調整に大変な思いをする。「でも、うちの会社は『やる時はやる』という人ばかりなので、助けられています」。


会社の代表という意識を持つ 学生時代、まったく機械と関係ないことを勉強していたK、最初は図面を見てもチンプンカンプンだった。図面の見方やモジュール、部品のことなどを一から教わった。現場で図面と完成品を照らし合わせて、勉強したこともあったという。「今は、ものすごく複雑なものでなければ、図面を見た時に完成品が思い浮かぶようになりました」とにこやかに笑う。 Kが常に気をつけているのは言葉づかいだ。「電話での連絡がほとんど。会社を代表してお客様と接しているわけですから、言葉づかいは基本中の基本です」。また、緊急の事項では迅速な判断と的確な対応が求められる。班長の対応に教わることが多い。「もっと経験を積んで、自分一人で判断できる分野を広げていきたい。そして、どんな場合にもお客様から信頼される存在になりたいです」。一人ひとりのお客様に真面目に向きあうことが目標への近道であることを、Kは知っている。